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【医療広告ガイドライン①】始める前に知っておきたい、医療広告ガイドラインの基礎知識

マーケティング施策は、クリニックや病院に重要な経営戦略の一つです。その中でもWEB広告は時に強力な集患ツールとなりますが、その一方で2020年7月には広告代理店や広告主の社員が誇大・虚偽の内容をWEB上に記載し、医薬品医療機器法違反で逮捕され、世間を騒がせました。悪質ではないとしても「気付いた時には法律に抵触していた」という事態を未然に防ぐために、医療広告は確かな知識を以って展開していくことが重要です。
今回のコラムシリーズでは、2018年から規制が始まった「医療広告ガイドライン」の解説を通し、コンプライアンスを遵守した医療広告展開のための知識をお伝えしていきます。

医療広告ガイドラインとは

 

  1. 医療広告ガイドライン制定の背景
  2. 医療広告の定義
  3. 医療広告の規制一覧

 

①医療広告ガイドライン制定の背景

医療広告ガイドラインは、2007年から施行された「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」という法律により、医療広告内容が制限されたことに始まります。
紙媒体の広告等、WEBコンテンツ以外の医療広告は2007年より規制が行われてきましたが、WEBコンテンツは当初、医療のプロモーションの中でも広告規制のグレーゾーンとして捉えられていました。しかし治療内容や費用について、その実態とWEBコンテンツの情報の乖離からトラブルが頻発し、2012年頃から関係団体によって自主的な規制が行われてきました。それでもなおトラブルが増加したため、法改正のニーズが高まり、2017年、医療法等の一部改正と共に現在の医療広告ガイドラインが策定されました。
契機は美容系医療広告の課題から制定された医療広告ガイドラインですが、現在では患者や治療を必要としている人へ広く安全に、かつ平等に医療を提供するための重要な基準となっています。

 

②医療広告の定義

医療広告ガイドラインでは
①誘因性:患者の受診等を誘引する意図があること
②特定性:医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること
の双方を満たすものとを医療広告として定義しています。つまり
「A病院/A先生に患者を誘導するための媒体」
であればおおよそ医療広告に該当することになります。
注意事項としては、WEBならではの取り扱いの難しさがあります。例えば患者自身がA病院の体験談をTwitterのようなSNSで投稿した場合には、病院が発信した情報ではないため「誘因性」があるとは認められず、医療広告ガイドラインに抵触しません。その一方で病院側が「治療体験談」といった内容で自院のホームページ等に体験談を記載することは、病院の誘因性が認められるという判断になり規制対象となります。

こちらに関しては、次回のコラム
【医療広告ガイドライン②】広告規制の対象範囲
で解説していきます。

 

③広告規制の範囲

医療広告ガイドラインでは以下の7種類に大分される規制があります。

虚偽広告 比較優良広告
誇大広告 体験談の記載
治療前後の写真の掲載 公序良俗に反する内容
その他(費用や関係性の低い事項)

これらの中には、各項目毎に細かい規定があり、実際の広告展開では注意を要します。また逆に「限定解除」という免除項目に該当し、場合によっては規制外となる場合もあります。
これらに関しては、詳しくはシリーズ続編をご覧ください。

なお、「医療広告ガイドライン」では上記の項目が規制されますが、その他に
医療品医療機器等法
健康増進法
不当景品類及び不当表示防止法
不正競争防止法
の遵守も必要です。このシリーズではこれらの法律に関して詳しく触れませんので、より詳しい情報を必要とされる方はリンクをご参照ください。

まとめ

今回のコラムでは医療広告ガイドラインの概論として
①医療広告ガイドライン制定の背景
②医療広告の定義
③医療広告の規制一覧
についてお伝えしました。医療機関でWEBマーケティングを活用を検討されている方、また今後活用を検討している方は、医療広告ガイドラインの理解が必須です。是非続編のコラムもご覧ください。

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重光洋亮
この記事を書いた人
コンサルタント
重光 洋亮

元看護師。新卒で日本赤十字社医療センターに就職。SCU(脳卒中ケアユニット)・脳神経外科・神経内科を経験したのち、2020年から株式会社グローカルに入社。広島県出身。第2の故郷は岩手県陸前高田市。