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効果を生み出すペルソナの作り方とは?ビジネスシーン別に徹底解説

「思うように顧客獲得が進まない」「求める人材からの応募が得られない」ということはありませんか?ペルソナはマーケティングや採用において様々な施策の効果を最大化するために有効なユーザー像です。ペルソナを作ることでユーザーニーズを深く理解できることから、近年ペルソナは様々な領域で活用されています。

本コラムでは、顧客や人材の獲得に悩む中小企業の経営者や事業責任者に向けて、効果を生み出すペルソナの作り方のポイントをご紹介します。はじめてペルソナを作る方でも迷わないよう、ペルソナの概要やビジネスシーン別の具体的なペルソナの作り方、話題のChatGPTを使ったペルソナの作り方にいたるまで、網羅的に解説します。

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ペルソナとは?

ペルソナの作り方を紹介する前に、そもそもペルソナとは何かをご紹介します。
「ペルソナ」はもともとは「仮面」を意味するラテン語「persona」から生まれた言葉です。心理学者のユングが「人間の外的側面」をペルソナと呼ぶようになり、現在はビジネスシーンにおいて「人」や「人格」を意味するマーケティング用語として使用されます。

しかし最近では、マーケティング領域だけでなく、人材採用の現場でもペルソナが用いられるなど、広く人に意思決定を促す活動にペルソナの考え方が用いられるようになっています。

また、マーケティング用語において、ユーザー像を意味する言葉として「ターゲット」があります。商品やサービスのユーザー像という意味ではターゲットもペルソナも同じですが、両者は人物像のとらえ方や定め方が異なります。ターゲットは「同じ属性を持つユーザーのグループ」を表しているのに対し、ペルソナはそのグループに属する「一人の人物」を表します。

具体的には氏名・年齢・性別・居住地・家族構成などの基本的な項目から、職業・役職・年収などの就労環境、趣味・価値観・生活様式などのプライベートな部分まで詳細に設定したユーザー像を意味します。あたかも実在する人物のようにペルソナを作ることで、様々な戦略や具体的な施策を立てやすくなります。

 

ペルソナのメリットとは?

ペルソナを作るメリットは大きく3つあります。

①ユーザーのニーズを理解できる
ペルソナを設定するためには典型的なユーザー像を徹底的に分析する必要があるため、結果としてユーザーニーズを深く理解することになります。具体的なユーザーをイメージできれば、「いつ」「何を」「どのように」アプローチするか、「どうすれば惹きつけることができるか」など様々なことが明確になります。

②ターゲットの共通認識が生まれる
様々な戦略や施策において、担当者間の認識のズレは、 無駄な作業や納期の遅れなどトラブルの原因になります。ペルソナという代表的なユーザーを設定することで、異なる分野の担当者と共通認識を持つことができるため、効率よくプロジェクトを進行することができます。

③コンセプトがかたまる
ターゲットユーザーがあいまいだと、施策への投資が分散してしまい、期待していた成果が得られないという状況に陥ることがあります。ペルソナを設計することで、戦略や施策の方向性やコンセプトが定まります。ペルソナの行動を予測しながら、施策の是非を判断できるため、 投資にメリハリをつけやすくなります。

ペルソナを作る際の準備

それでは、ペルソナを作る際の準備について3ステップでご紹介します。

ステップ① 目的を明確にする

ペルソナはただ作るだけでは意味がありません。ペルソナを作る目的を明確にしましょう。ペルソナを作ることで、ユーザーのニーズや行動パターンを理解することができます。そのためペルソナ設定の目的は、得られた情報や仮説にもとづいた戦略を策定することにあります。

マーケティング戦略であれば、狙うべきユーザーを定義し方向性を決める、採用戦略施策改善であれば、採るべき人物像を定義し採用のコンセプトを決める、などペルソナを設定するためのご自身の目的について検討しましょう。

 

ステップ② 自社の立ち位置を明確にする
企業は、変化する市場や景気、競合企業の動きに対応しなければなりません。戦略を立案する目的でペルソナを作る場合は、必ず自社の立場を整理し、戦略の基盤となる情報をまとめておきましょう。

こちらはSWOT分析を活用することで過不足なく整理できます。
難しく見えるかもしれませんが、社員を数名集めて、30分程度ブレインストーミングを行うだけでも、ある程度の情報は整理できます。バイアスがかからないよう、幅広い立場の社員を集めて行うことがポイントです。

 

ステップ③ 過去のデータを分析する
販売実績や採用実績など、過去のデータを活用しない手はありません。例えば、更なる売上伸長を目的にペルソナを作るのであれば、過去の販売実績から一番売れたセグメントにはどのような特徴が見られるのかなどを細かく分析します。

このとき、現状の把握だけでなく「今後も獲得したい顧客かどうか」「潜在的なニーズを持つのはどのような人物か」など、将来を見据えた考察を行うことも有用です。

 

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「BtoBマーケティング」におけるペルソナの作り方

BtoBビジネスの最終的な顧客は、特定の個人ではなく企業です。そのため、BtoBマーケティングにおけるペルソナは「特定の企業に所属する従業員」「特定の企業の経営者」という視点が求められます。

それでは、BtoBマーケティングにおけるペルソナの作り方を3ステップでご紹介します。

ステップ① 所属企業を定義する
BtoBビジネスで取り扱う商品やサービスは、特定の個人の判断だけで購入されるものではありません。少なくとも購買プロセスには、情報収集を担う「担当者」と意思決定を下す「決裁者」が存在します。そのため登場人物のペルソナを設定する前に、登場人物の所属企業を定義する必要があります。既存顧客の傾向や、受注実績、商品やサービスの特長を踏まえ、「どういった企業に売りたいのか」を定義しましょう。

 

ステップ② 担当者を定義する
次に、企業に所属する担当者の属性を明確にします。担当者の性別や年齢、所属部署、役職、顕在化した課題と、背景にある潜在的な課題などを具体化していきます。なお、BtoBビジネスには複数の人物が登場します。より成果が出るペルソナ設定を目指すのであれば、登場人物ごとにペルソナを定義する必要があります。

 

ステップ③ ユーザー像を定義する
所属企業の属性と担当者の属性が定義できたら、これらに定性的な情報を加えてストーリーを組み立てながらペルソナを設定していきます。BtoBマーケティングでペルソナを設定する場合は、所属企業の業界特性や、所属部署の業務内容、購入の目的や課題意識といった業務に即した項目を中心に検討していくことが望ましいです。

 

「BtoCマーケティング」におけるペルソナの作り方

BtoCマーケティングでは、多種多様な消費者をどのように区分するかが重要になります。やみくもな市場調査を行っても徒労に終わるため、ブレインストーミングやアンケート調査、個別インタビューなど、どこにアタリを付けるかがペルソナの巧拙を左右します。

それでは、BtoCマーケティングにおけるペルソナの作り方を3ステップでご紹介します。

ステップ① ヒアリング調査
顧客インタビューやアンケート調査が可能であれば、実施することをおすすめします。あらかじめ質問事項をまとめておく必要がありますが、一問一答形式ではリアルな声を捉えづらく、新たな洞察を得ることが難しくなります。ライフスタイルや行動パターン、日ごろ抱えている悩みの中から、相手の潜在的な興味関心やニーズを探れるよう、柔軟な対応を心がけましょう。顧客に直接ヒアリングできない場合は、友人や同僚に聞いたり、ブレインストーミングなどで意見を出し合うことでも、顧客イメージを掴むことができます。

 

ステップ② 傾向を分析する
インタビューで得られた情報を書き出し、共通項目をグルーピングしましょう。顧客のライフスタイルや行動パターン、顕在的なニーズや潜在的なニーズを言語化することで、その後のペルソナ設計の精度が上がります。なお、この段階では、複雑な場合分けは必要ありません。例えば、新しいシャンプーの潜在顧客の傾向分析であれば、「○○というブランドを使っている」という粒度ではなく、「中価格帯のシャンプーを使用している」といった幅を持たせた粒度で十分です。

 

ステップ③ ユーザー像を定義する
分析の結果見えてきた属性情報に定性的な情報を加えて、それぞれを繋ぎ合わせたストーリーを組み立てながらペルソナを設定していきます。BtoCマーケティングでペルソナを設定する場合は、家族構成やライフスタイル、趣味・嗜好といった項目を中心に検討していくことが望ましいです。

「採用」におけるペルソナの作り方

採用活動の目的は、新たな人材の採用と、採用した人材の活躍です。経営戦略や事業戦略だけでなく、所属現場のニーズを考慮し、双方にとって有用な人材とは何かを具体化していく必要があります。

それでは、採用におけるペルソナの作り方を3ステップでご紹介します。

ステップ① 求める人材像をヒアリングする
経営陣と現場で求める人物像が食い違うことも少なくありません。一方に偏ることなく双方の意見を聞き、求める人物像を言語化していく必要があります。このとき、抽象的な表現を具体化することがポイントになります。「コミュニケーション能力が高い人」が良いという回答が得られたら、「どんなコミュニケーションを評価するか」「面接でどう判断するか」など、できる限り具体的な回答を得るために深掘りしましょう。「○○さんのような人物」など、現職の社員や過去の内定者を例に出すことも有効な手段です。

 

ステップ② 採用すべき人材要件を洗い出す
ステークホルダーのヒアリング結果を踏まえて、採用すべき人物像の条件を書き出します。具体的には採用のポイントになりそうな要素を洗い出し、募集要項に書き起こしていきます。例えば、ヒアリングの結果「新たにはじめるSaaS事業のコアメンバーを外部から招集するため」、評価ポイントは「管理職経験」「クラウドサービス経験者」「プレイングに抵抗が無い」にまとめられる場合、項目の整理と募集要項は以下の通りに書けます。

 

ステップ③ 採用すべき人材像を定義する
募集要項を満たすペルソナを設定していきます。自社の業態、募集の背景や仕事内容、人材要件から連想されるストーリーを組み立て具体化していきます。採用目的でペルソナを設定する場合は、これまでの仕事選びの軸や、所属業界特有の悩み、転職を通して実現したいことなど、仕事と価値観に関する項目を中心に検討していくことが望ましいです。

ペルソナを作る際の注意点

これまでペルソナの作り方についてご紹介しましたが、残念ながら、ペルソナは作り方を理解しても簡単に作成できるものではありません。ある程度の経験を積み、試行錯誤することで精度と速度が上がっていくものです。ここでは、本格的にペルソナを作る際に覚えておきたい注意点を3つ紹介します。

① 絞り込むことを恐れない
特定の1人のニーズを徹底的に満たすサービスは、結果的に多くの人が求めるサービスになると言われています。例えば「赤ちゃんにも使える天然素材を使用」など対象を明確にすると、特定ユーザーのほか「肌が弱い私でも使える」とユーザーが解釈し、想定外の需要を満たすこともあります。究極的ですが特定の1人まで絞り込む方が、効果を生みやすいといえます。

② まずは理想的なペルソナでいい
最初は理想的なペルソナを設定し、徐々にリアリティを持たせるほうがペルソナの価値を最大化できます。高望みに思えてしまう理由を言語化すれば、現状の戦略や施策のボトルネックのヒントが得られます。この情報を踏まえて、定期的にペルソナを修正していくことで、戦略や施策の解像度が上がり、成果が出やすい状況が創られます。

③ 作ることそのものをゴールにしない
ペルソナはマーケティングや採用の課題解決のためのツールです。ペルソナ設定をして満足しては、ペルソナ設計の意味がありません。ペルソナは戦略や施策の基準となるものであり、実際の顧客や応募者とを比較することで、様々な意思決定の判断材料になります。設定したペルソナを神格化せず、常に見直すものとして扱いましょう。

 

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ChatGPTを使ったペルソナの作り方

ここからは、ChatGPTを使ってペルソナを作る場合の留意点やポイントを紹介します。

ChatGPTはユーザーの質問事項に対してAIが回答を自動生成するツールです。ペルソナそのものや、ペルソナに関する情報について複数回質問を繰り返すことで、
ペルソナを具体化していきます。なお、誤った情報が含まれる可能性があるため、そのまま活用することは推奨しません。ペルソナの情報収集手段として活用し、回答を読んだ上で改めて書き起こすことをおすすめします。

ぜひ、以下の質問例を参考にChatGPTでペルソナを作ってみてください。

■質問例

質問①:○○の利用を検討する担当者のペルソナを、800文字程度で書いてください。

質問②:このペルソナはどのような学校の卒業生であることが推察されますか?
また、想定される具体的な学校名を書いてください。

質問③:このペルソナの顕在化しているニーズと潜在化しているニーズは、
それぞれどのようなものが想定されますか?

質問④:このペルソナが勤務先に対して感じているポジティブな点とネガティブな点は、
それぞれどのようなものが想定されますか?

質問⑤:このペルソナが業務を通して身に着けたスキルや経験はどのようなものがあると想定されますか?

質問⑥:このペルソナが持つ経験やスキルは、○○を購入する意思決定にどのような影響を与えると考えられますか?

まとめ

ペルソナはマーケティングや採用において様々な施策の効果を最大化するために有効なユーザー像です。 ユーザーニーズが多様化している今、丁寧にペルソナを作りこむことが大切です。 しかし、ペルソナは作り方を理解しても簡単に作成できるものではありません。 自社内でペルソナを定義するのが難しい場合は、経験・ノウハウを持つコンサルタントに相談をするのも1つの方法です。

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shirouchi@pols.co.jp
この記事を書いた人
志村 匠斗

新卒で研究職の道に進まず、大手人材会社に入社。人材紹介の法人営業として、製造業を中心に100社以上の企業を担当する。その後、ものづくり企業同士のビジネスマッチングを支援するベンチャー企業に転職し、新規事業企画、マーケティング、インサイドセールス、CRM/SFAの導入推進などを幅広く手掛ける。 2022年よりグローカルに参画。マーケティングと採用領域のコンサルタントとして企業の変革を支援するほか、自社のマーケティング担当として組織体制の整備を行う。