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【医療広告ガイドライン②】広告規制の対象範囲

マーケティング施策は、クリニックや病院に重要な経営戦略の一つです。その中でもWEB広告は時に強力な集患ツールとなりますが、その一方で2020年7月には広告代理店や広告主の社員が誇大・虚偽の内容をWEB上に記載し、医薬品医療機器法違反で逮捕され、世間を騒がせました。悪質ではないとしても「気付いた時には法律に抵触していた」という事態を未然に防ぐために、医療広告は確かな知識を以って展開していくことが重要です。
今回のコラムシリーズでは、2018年から規制が始まった「医療広告ガイドライン」の解説を通し、コンプライアンスを遵守した医療広告展開のための知識をお伝えしていきます。

複雑な「医療広告」の適応範囲

「医療広告」の例外

前回の記事で広告の定義は
①誘因性
②特定性
にあることをお伝えしましたが、この定義には実はいくつかの例外があります。例えば院内で配布する疾患パンフレットは
①誘因性:コンテンツを通して、自院への受診・治療を促している
②特定性:自院のホームページなので、病院名は特定されている
ため、定義上医療広告ガイドラインの規制対象となってしまい、媒体を用いて治療説明を行うことは禁止事項に該当します。

しかし実際には冊子の「がんの説明パンフレット」などを病院で見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。実は「院内掲示、院内で配布するパンフレット等」は広告規制の対象とはなりません。この根拠として、
院内でパンフレットを手に取る方=受診している方
に限定される構図となるため、「患者を自院へ誘引する目的ではない」との解釈になり医療広告ガイドラインの規制外と定義づけられています。
その他
・学術論文
・新聞/雑誌での記事
・患者等が自ら記載する体験談・手記(SNS投稿なども含む)
・医療機関の職員募集に関する広告
については同様に、誘因性のない情報として医療広告ガイドラインの規制外と定義されています。

体験談・手記の注意事項
なお「患者等が自ら記載する体験談・手記」については注意事項があります。それは
・患者家族等に依頼して記載してもらう
・広告代理店等に依頼して、「記事風」「体験談風」の記載をしてもらう
・意図的に否定的な体験談を削除する
・意図的に肯定的な体験談を強調表示する
などが行われる場合は医療機関側の意図的な情報操作が「誘因性あり」と判断されるため、医療広告ガイドラインの規制内となります。ちなみに冒頭にお伝えした逮捕者を出した事件は、(厳密には医療広告ガイドラインの範疇ではありませんが)ポータルサイトにおいて、広告代理店が記事風広告を記載、かつ内容を虚偽・誇大に行ったことによるものであり、誘因性のある情報掲載を行ったことが逮捕理由の一つとなっています。

まとめ

今回のコラムでは、医療広告ガイドラインの
①例外項目
②体験談・手記掲載の注意事項
③治療内容等の記載可能な例外「限定解除」
の3点についてお伝えいたしました。医療機関でWEBマーケティングを活用を検討されている方、また今後活用を検討している方は、医療広告ガイドラインの理解が必須です。是非続編のコラムもご覧ください。

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重光洋亮
この記事を書いた人
コンサルタント
重光 洋亮

元看護師。新卒で日本赤十字社医療センターに就職。SCU(脳卒中ケアユニット)・脳神経外科・神経内科を経験したのち、2020年から株式会社グローカルに入社。広島県出身。第2の故郷は岩手県陸前高田市。