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経営戦略

【企業防災】事業継続力強化計画認定制度のススメ

地震や台風など、自然災害大国といっても過言ではない日本ですが、その発生頻度や規模は年々拡大しているようにも感じられます。また自然災害に加え、新型感染症の拡大やサイバーテロなど、先行きを予測しにくい時代においては、考え得るリスクに対し可能な限り対策を講じていく必要性が増してきています。
とりわけ中小企業は大手企業に比べて経営基盤が脆弱なため、こうした緊急事態に対して迅速かつ適切に対処できなければ、倒産や事業縮小による従業員の解雇に直結する可能性も有ります。
前回記事「【企業防災】事業継続計画(BCP)策定のポイン」に引き続き、本記事では中小企業に対して政府が実施する「事業継続力強化計画認定制度」の概要についてご紹介致します。

事業継続力強化計画認定制度とは

事業継続力強化計画認定制度とは、災害リスクへの備えとして防災・減災に取り組む中小企業に対し国が認定を行うことで、防災・減災設備に対する税制優遇、低利融資、補助金の優先採択等を受けることができる制度です。
認定制度への申請を行う中小企業は、主に、下記の内容に関して申請資料を作成する必要が有ります。

①企業の概要
②自然災害等が事業活動に与える影響の認識(被害想定等)
③初動対応の内容
④事前対策の内容
⑤事前対策の実効性の確保に向けた取り組み
※申請に関する要綱、申請書類様式については、こちら(中小企業庁HP)からダウンロードしてください。

②~⑤については、BCPの策定にあたって準備すべき内容と重複していることから、基本的にはBCPを策定することで申請にあたっての準備がほぼ完了することになります。
申請が完了し、実際に計画が認定されると、計画実行を支援する以下の施策の活用が可能になります。

(1) 金融支援
日本政策金融公庫の低利融資、信用保証の別枠など、計画の取組に関する資金調達について支援を受けることが可能です。
(2) 税制優遇
認定計画に従って取得した一定の設備等について、取得価額の20%の特別償却を受けることができます。
(3) 予算支援
計画認定を受けた事業者は、ものづくり補助金等の一部の補助金において、審査の際に加点を受けられます。

いずれの支援・優遇についても、対象となる企業の条件をしっかりと確認し、自社が基準を満たしていることを確認してから申請手続きを開始しましょう。

まとめ

事業継続力強化計画認定制度は、防災・減災への取り組みを行う中小企業に対し、政府が支援を行う認定制度です。まさにBCPの策定をお考えの企業においては、一度認定制度の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

グローカルでは、中小企業が直面する多くのリスクに対し、防災やBCPの策定に関する支援を行っています。
災害など緊急事態への準備を実施し、有事の企業運営を強化したいという方はお気軽にお問い合わせください。

矢野口聡
この記事を書いた人
矢野口 聡

長野県出身。東京大学大学院にて工学修士取得後、国内大手メーカーに技術職として入社。 ディスプレイ材料の研究開発に従事し、新製品の立ち上げから製品化に至る一連の製品ライフサイクルに携わる。 地域のモノづくり企業における持続的な発展や、経営課題の解決に取り組みたいという思いから、グローカルへ参画。社内の新規事業立ち上げを中心に、事業戦略から人事組織事業、WEB集客・販促事業におけるコンサルタントを兼務。