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【わかりやすく解説】認知バイアスに左右されない意思決定

「今日の朝食は何にしようか」という小さな選択から、引っ越しや転職といった自身の人生を左右するような大きな意思決定まで、私たちは日常生活を送る上で常に選択や意思決定を迫られています。そのような数多の判断の中には、「こうすれば良かった」、「なぜあの時正しい判断が出来なかったのだろう」と後悔するものも多いのではないでしょうか。
正しい判断を妨げる要因として、その人の思考のクセや思い込み、経験に基づく先入観といったものがありますが、心理学ではこれらの要因によって非合理的な判断をしてしまう心理現象を「認知バイアス」と呼んでいます。認知バイアスについては多くの科学者が200以上の報告を行っています。本記事では、これらの中でも経営者やコンサルタントが注意すべき4つの認知バイアスについて解説し、そのような認知バイアスに左右されることなく意思決定を行うためのコツをご紹介致します。

経営者やコンサルタントが注意すべき4つの認知バイアス

①アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された数値が基準(アンカー)となり、その後の意思決定に影響を与えてしまう現象で、わかりやすくマーケィングにおいて応用されることが多くあります。例えば、「定価12,800円の商品が、今だけなんと9,800円!」などといった広告を目にした場合、9,800円の金額の妥当性が無視され、無意識に安いと感じてしまうことはないでしょうか。物事の判断をする際の基準が、私たち意思決定者の手から外部へと奪われてしまっていないか、注意する必要が有ります。

②確証バイアス
情報収集や他社への報告において、注意しなければならないのが確証バイアスです。確証バイアスとは、仮説や効果を検証する際に無意識に自身にとって都合の良い情報ばかりに注目し、不都合な情報を排除する傾向を指します。特に期待する応募者の採用面接の場面や、全社が注力するような大きなプロジェクトの推進にあたっては、確証バイアスを意識した懐疑的な姿勢が重要です。

③コンコルド効果
経済学の領域では「サンクコスト効果」とも呼ばれるものです。損失の結末が分かっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、予測される結果を無視して投資を継続してしまう傾向を指します。野村證券HPによると、コンコルド効果は「開発途中で既に採算が取れないことが想定されていたにもかかわらず、開発・就航を続行して遂には商業的に失敗した超音速旅客機コンコルドの事例」が由来となっているそうです。経営判断において最も注意すべき認知バイアスの一つと言えるかもしれません。

④生存バイアス
生存バイアスとは、リサーチや効果検証において上手くいったものだけを対象とし、上手くいかなかったものを見落としてしまう傾向を指します。確証バイアスが自分の都合の悪いことを無視してしまう心理的傾向を指すのに対し、生存バイアスはそもそもの対象設定の誤りにより間違った結果を導くことを指します。有名な例が、第二次大戦中連合軍が軍用機の装甲を強化する際の話が挙げられます。この時、軍の担当者は、戦闘から帰還した機体の被弾箇所を調査し、最も被弾しやすい箇所の強化を指示しようとしましたが、この調査では本来対象となるべき撃墜された機体の被弾箇所が見落とされており、結果として被弾しても問題のない場所の強化が指示されていたという事例があります。調査や効果検証を行う際、分析対象の設定が本当に正しいのか考えるための好事例と言えます。

認知バイアスに左右されないために

認知バイアスに左右されず、適切な意思決定を行うためには、まずはどのような認知バイアスがあるかを知り、そして自身の思考の癖や陥りがちな認知バイアスを把握することです。有名な孫氏の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という一節が有りますが、自らの意思決定においてどのようなリスクがあるかを知ることが、判断ミスを防ぐことにつながります。

また、意識的に認知バイアスの影響を排除するために必要なのは、①意思決定の根拠やそのプロセスを言語化し、事実と考察が切り離されているか、論理に誤りがないか細部まで具体化すること ②対象や行為の主体を明確にし、可能な限り抽象性を取り除くこと の2つです。とりわけ日々数多くの判断を迫られる経営者やコンサルタントにおいては、意思決定に潜む敵を知り、思い込みや思考のクセが入り込んでいないかを意識することで、認知バイアスに左右されない正しい判断が可能になるのではないでしょうか。

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