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営業戦略

【中小企業の営業強化】メンバーの自走を促す「マクロマネジメント」

中小企業において、従業員のマネジメントは注力すべき業務のひとつです。そのため、多忙な経営者にとっては、従業員が自走することは理想的な状態といえます。
規模が小さい内は、従業員の行動を逐一管理し指示を出すことも可能かもしれませんが、メンバーが10名を超えると逐一指示を出すことは現実的に不可能ではないでしょうか。
中小企業の経営者の多くが、細かく指示を出すマイクロマネジメントをしがちですが、人数の少ない中小企業だからこそ、従業員の自走を促すマクロマネジメントが重要になります。
このページでは、中小企業経営者が売上・利益向上を考えた際に必ず押さえておきたい「マクロマネジメント」のポイントについて解説したいと思います。

細かい指示出しから解放され、メンバーの自走を引き出すマクロマネジメント

中小企業において、経営者が社長業にコミットできる環境を創り出すことは、事業を伸長する上で必要不可欠です。そのためには、従業員それぞれが自走をし、経営者のメンバーマネジメントに関する負荷を極力下げることが重要になります。従業員の自走を引き出すためには、「基本的な会社の方向性を示した上で社員の自主性を重んじ、手法は任せてモチベーションを高めること」がマクロマネジメントの重要なポイントになります。

メンバーの自走を引き出すマクロマネジメント3つのポイント
1.Whyから始めるコミュニケーションを徹底する
2.企業が目指すビジョンを都度繰り返し発信する
3.ゴールの明確化と戦略を浸透させる

「1.Whyから始めるコミュニケーションを徹底する」について
中小企業の事業伸長における有効なアプローチ方法である、サイモンシネック氏が提唱する「ゴールデンサークル」の考え方は、中小企業を率いるリーダー経営者の在り方として、「Whyから始めよ」と言っています。社員をインスパイアできる経営者は、誘惑や脅迫という手段を使わずに、「Why(なぜやるのか?)」を語ることで目的意識や帰属意識をもたせ、次に「How(どうやるのか?)」を語ることで戦略・戦術を明確にし、最後に「What(何をするのか?)」を語ることで具体的に手掛ける商品やサービスを明確化させます。このプロセスをたどることで、所属メンバーの自走を引き出すことが可能となります。

「2.企業が目指すビジョンを、都度繰り返し発信する」について
ゴールデンサークルの考え方により、従業員向けにメッセージを発する場合、一度限りではアクションを引き出すまでの浸透は見込めません。特に、何のために事業を行っているのかを浸透させるためには、折に触れて繰り返し発信することが非常に重要です。経営者である社長からのメッセージはもちろん重要ですが、中間管理職からもそれぞれのレイヤーに応じて頻度高くメッセージを発信することが重要となります。また、これは上司部下の関係性に限らず、同僚同士の中でもこうした内容について議論することが望ましいため、先輩・後輩の間でも積極的に議論することが、組織全体として自走を引き出すために重要であると言えます。

「3.ゴールの明確化と戦略を浸透させる」について
従業員が自走するためには、明確なゴールイメージの共有とそこに至るための明確な戦略の浸透が不可欠です。これもビジョン同様に一度限りではアクションを引き出す浸透は見込めません。メンバーが真にゴールを解像度高く理解し、かつ戦略を理解した状態を創り出すためには、キックオフや全社総会だけでなく、日常業務の中の会議やミーティングの中で都度情報発信が行われる必要があります。その際には、メンバーに対してなるべく具体的に嚙み砕いて伝え、メンバーが腹落ちできるようにすることが非常に重要です。

中小企業において、大手企業ほど資金や人的リソースが確保できない中で事業を伸長させるためには、従業員の自走が不可欠です。Whyから始めるコミュニケーションを行い、マクロマネジメントを経営者だけでなく管理職も実行することで、従業員の自走を引き出し、売上・利益を向上につなげることが可能となります。

まとめ

中小企業において、従業員の自走は事業伸長のために不可欠です。だからこそ、経営者は従業員が自走できるようあらゆる手段を用いることが重要です。そうした中で、マクロマネジメントは従業員の自走を引き出すために非常に有効な施策と言えます。「Whyから始めるコミュニケーションを徹底する」ことを意識し、事業を伸長させた中小企業は世界的に見ても非常に多くあります。自社のビジネスを加速度的に伸長させたいにはぜひ取り組んでいただきたい施策のひとつです。

 

株式会社グローカルでは、地方の中小企業や、地方への参入を検討している中小企業の営業組織強化支援を行っています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。