columnコラム

TOP > コラム > 部下に施したい、グローカル流マネジメント③ ~ストレスを溜めない働き方:タスクの整理と細分化

マネジメント

部下に施したい、グローカル流マネジメント③ ~ストレスを溜めない働き方:タスクの整理と細分化

部下の能力を上げたい、チームの生産性を上げたい。このように思っているマネジャーの方は多いと思います。弊社自体、様々な背景を持つコンサルタントが在籍しており、いかに個々がパフォーマンスを上げられるか、といった問題は永遠の課題といっても過言ではありません。
このコラムシリーズでは、「グローカル流マネジメント」と称し、弊社で実施しているチームパフォーマンスを改善するマネジメント術について連載します。グローカル流マネジメント第3弾の今回は、部下が精神衛生上健全に働くための「ストレスを溜めない働き方」をテーマとし、明日から活用できる部下のマネジメント術についてお伝えしていきます。

目次
①ストレスとは:「不安」と「恐怖」の違い
②職場における「不安」
③職場内の「不安」に対する対処方法

ストレスの要因:「不安」と「恐怖」

①ストレスとは:「不安」と「恐怖」の違い
厚生労働省の調査では、労働者のうち58%もの人が、仕事や職業生活において強いストレスを感じており、精神疾患を有する患者数も年々増加傾向にあります。部下がうつ病をはじめとする精神疾患にならないよう、ストレスマネジメントを行っていくことが重要なのは言うまでもないでしょう。
ストレスマネジメントを語る前に、ストレスの大きな因子である「不安」と「恐怖」には違いがあることをご存知でしょうか。それは
不安 → 対象のない恐れ
恐怖 → 対象が明らかな恐れ
という違いです。例えば暗闇に恐怖を覚える人はいても、暗闇に不安を覚える人はいませんし、将来が不安な人はいても将来を恐怖に思う人は一般的にはいないでしょう。
当然、対処方法も異なります。「恐怖」は恐れの対象が明らかであるため、身構えたり、昇華したり等、何らかの対処を行うことができます。しかし「不安」は対象が明らかでないので、対処を行うことは困難です。すなわち「不安」は対処できずに日ごとに累積し、心の病に繋がっていくことが多いため、過度な負荷とならないよう注意していく必要があります。

 

②職場における「不安」
それでは職場における「不安」とはどのようなものでしょうか。
職場における「不安」として最も大きい要素は「業務(タスク)」であると考えられます。恐れを抱くものとしては「人間関係」も少なからずありますが、「人間関係」は特定された恐れであるため、ここでは割愛します。
タスクが「不安」の原因となってしまうのは、時にタスクも「対象のない」状態になってしまうからです。例えば「新規事業の立案をよろしく」と上司から言われた場合、未経験の新規事業について何から手をつけてよいのかわからず、「不安=対象のない恐れ」に押しつぶされて休職してしまう、というようなケースは容易に想像できるのではないでしょうか。この例に限らず、タスクを色々とお願いしていたところ、気付いたら部下がバーンアウトしてしまい退職希望が出た、という事例も少なからず身近にあることかと思います。

 

③職場内の「不安」に対する対処方法
それでは「不安」を対処するために何ができるのでしょうか。察しの良い方は既にお気づきかと思いますが、ストレスに繋がる「不安」を解消するためには、「あいまいさを排除する」ことが必要になってきます。つまり、語弊を恐れずお伝えすると「不安=対象のない恐れ」を「恐怖=対象のある恐れ」に変換し、その「恐怖」に対する対処法を考えていくことが重要です。「恐怖」は「不安」よりずっと扱いやすく、ストレスに占める割合も先の見通しが立つ分、幾分少なくなります。
例として、「来週が不安」という悩みを部下が抱えているとすると、「来週の何が不安」なのかを部下と対話することをオススメします。「営業での初プレゼンにおける失敗を恐れている」のか「部長との面談で目標未達について怒られるのを恐れている」のかといった粒度まで明らかになれば、あとは対処方法が自ずと見え、気持ちが少しは楽になってくるはずです。
すなわちこれは、最近大企業でも導入されている「1on1」(部下との1対1の継続的な対話)が重要、ということになります。とはいえ、1on1を行っていきたいという理想はあれど、マネジャーも日々の業務で忙しく、なかなか時間が取れない、という方も多くいらっしゃると思います。そのような場合に、気軽にできる代替案があります。それは手始めに部下へToDoリストの使用を推奨することです。日々のToDoリストの整理を通して、不安につながる「あいまいさ」を解消し、タスクの「見える化」を行うことによって、比較的手軽に不安を予防し、対処方法に繋がりやすい環境を作ることができます。
具体的なツールとしては、ビジネスとの関連付けであればGoogleKeepやChatworkのタスク管理機能、モバイルとの連携性を重視するのであればiCloudのリマインダー機能は非常に手軽に使えるツールです。「不安」対策に、部下に紹介してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回のコラムでは、「ストレスを溜めない働き方:タスクの整理と細分化」をテーマとし、
①ストレスとは:「不安」と「恐怖」の違い
②職場における「不安」
③職場内の「不安」に対する対処方法
についてお伝えいたしました。部下の働きやすい職場づくりのためにぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

株式会社グローカルでは、組織改善や営業マントレーニングといったご支援・無料相談も行っております。ご興味のある方、成果が出ずお困りの方はお気軽に左記お問合せよりご連絡ください。

重光洋亮
この記事を書いた人
コンサルタント
重光 洋亮

元看護師。新卒で日本赤十字社医療センターに就職。SCU(脳卒中ケアユニット)・脳神経外科・神経内科を経験したのち、2020年から株式会社グローカルに入社。広島県出身。第2の故郷は岩手県陸前高田市。