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部下に施したい、グローカル流マネジメント② ~部下との関係性を良くするコミュニケーション術

部下の能力を上げたい、チームの生産性を上げたい。このように思っているマネジャーの方は多いと思います。弊社自体、様々な背景を持つコンサルタントが在籍しており、いかに個々がパフォーマンスを上げられるか、といった問題は永遠の課題といっても過言ではありません。
このコラムシリーズでは、「グローカル流マネジメント」と称し、弊社で実施しているチームパフォーマンスを改善するマネジメント術について連載します。グローカル流マネジメント第2弾の今回は、「部下との関係性を良くする」をテーマとし、明日から活用できる部下とのコミュニケーション術についてお伝えしていきます。

目次
①褒める
②前置きからの指摘
③悪口を言わない
④見た目から伝える

明日から活用できるコミュニケーション術4選

①褒める
最初にお伝えしたいのが「褒める」です。「部下を褒めろ」とは多くの書籍でよく言われていますが、やはり軽視できない心掛けの一つです。
チリの心理学者であるマーシャル・ロサダが述べている「ロサダライン」という概念はご存知でしょうか。諸説反論もありますが、ロサダはビジネスのチームにおいて
「ポジティブな感情:ネガティブな感情=2.9013:1」
以上あった場合、有意なビジネスの成果がみられた、と結論付けています。逆にこの基準以下のチームでは著しく業務効率が落ちていた、との見解もあり、「褒める」ことの波及効果は決して小さくないことが伺えます。
実際の業務では、
・部下が何か小さな成果を上げた時
・依頼していた業務を納期通りに終わらせた時
など、日常の「当たり前」を「褒める機会」に変えることで、円滑な職場環境にシフトしていくことができます。

 

②前置きからの指摘
「前置きからの指摘」は「褒める」の延長線上にあると言えます。
部下に指摘を行う際、最初は静かに聞いていたものの、途中から退屈そうになり、しまいには反抗心も垣間見える、といったシーンに遭遇したことがある人も多いのではないでしょうか。是非そのシーンを思い浮かべてみて頂きたいのですが、「否定」から始まった指摘になっていなかったでしょうか。
何かを指摘する際、例えば
「昨日の提出の報告書、全然できていなかったよ。具体例のデザインが崩れているし、スライドの文字も多すぎる。今日の午前中までに修正しておいてもらえる?」
と伝えてしまうと、部下は
「全部だめだったのか。4時間もかけたのに、無駄な時間だったな」
といったネガティブな思考に陥っていまします。
そこで伝えるときに心掛けたいのが
「最初に褒める」
ことです。先の例では
「昨日提出してくれた報告書、確認したよ。あのボリュームだったのに早く対応してくれて助かったよ。大枠の筋も良いし。ただ強いて言えば5ページ目のデザインが崩れているところと、スライドの文字をもう少し減らして作ってくれた方がより良い資料になると思うんだ。修正してくれるかい?」
と伝えると、お互いに気持ちのよいコミュニケーションとなります。結果として部下もやる気と共に修正作業に入ることができ、Win-Winな指摘となります。

 

③悪口を言わない
「悪口を言わない」というのは、「壁に耳あり障子に目あり」という諺からも広く認識されている通り、良い関係性構築の基本であることは言うまでもないでしょう。
しかし敢えてここに挙げたことには理由があります。それは「悪口」は他者にネガティブな印象を与えるだけでなく、自身の中でもネガティブ発想を生む芽となってしまうのです。例えばですが、部下のAさんについて
「最近仕事のやる気がない」
といった話を一度してしまったとします。
すると、Aさんがたとえ体調が悪かったり、仕事で徹夜した後に続けて仕事をこなしていた場合でも、
「Aさんはやる気がないから、だらだら仕事をしている。けしからん。」
という認識を持ってしまいかねません。自身の中でネガティブ思考の芽を生まないために、「悪口を言わない」ということは意識づけていく必要があると言えます。

 

④見た目から伝える
コミュニケーションの非言語的な重要性について「メラビアンの法則」というものを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。「メラビアンの法則」は
「コミュニケーションで矛盾した情報が発信された場合、人間は言語(Verbal)、聴覚(Vocal)、視覚(Visual)の”3V”のうちどれを優先するか」
についての法則性を表したもので、
視覚情報:55%
聴覚情報:38%
言語情報:7%
で優先されているとしています。つまり、例え辛辣なフィードバックをしなければいけない時であったとしても、視覚情報(見た目・表情など)や聴覚情報(しゃべり方、声のトーン)に少し配慮することで、
一方的に部下を非難しているのではなく
「部下の成長を思って伝えている」
というニュアンスをアピールすることができます。
例えば
・部下の近くに言って話す
・面と向かって話す
・会話中、定期的に目を1秒みつめて話す
・ゆっくりと抑揚のある声で伝える
などを実践してみると、きっと部下の反応が変わります。

まとめ

今回のコラムでは、「明日からできる、部下との関係性を良くするコミュニケーション術」として、改めて意識することをオススメしたい
①褒める
②前置きからの指摘
③悪口を言わない
④見た目から伝える
という手法についてお伝えいたしました。ハイパフォーマンスなチームを作り上げるに当たり、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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重光洋亮
この記事を書いた人
コンサルタント
重光 洋亮

元看護師。新卒で日本赤十字社医療センターに就職。SCU(脳卒中ケアユニット)・脳神経外科・神経内科を経験したのち、2020年から株式会社グローカルに入社。広島県出身。第2の故郷は岩手県陸前高田市。