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部下に施したい、グローカル流マネジメント① ~効率的なインプット

部下の能力を上げたい、チームの生産性を上げたい。このように思っているマネジャーの方は多いと思います。弊社自体、様々な背景を持つコンサルタントが在籍している中で、いかに個々がパフォーマンスを上げられるかということは、永遠の課題といっても過言ではありません。
このコラムシリーズでは、「グローカル流マネジメント」と称し、弊社で実施しているチームパフォーマンスを改善するマネジメント術について連載します。グローカル流マネジメント第1弾の今回は、「効率的なインプット」をテーマとし、チームメンバー個々の能力を高める方法についてお伝えしていきます。

目次
①認知の深さ
②逆算思考型のインプット
③具体的なアウトプット方法

目的を見据えたインプット ~逆算思考型インプット

①認知の深さ
部下の能力を高める方法についてお伝えする前に、まずは私の前職看護師とも関係の深い、人間の認知について説明します。
いくつかの捉え方がありますが、一般的には認知の深さは4段階あると言われています。それは、
・知る
・わかる
・できる
・教える
というものです。具体的に解説していきます。

インプットを行う時、人間はまず対象について表層的に「知り」ます。しかし理解はしていないため、具体的に対象の情報を落とし込めているわけではない状態です。例えばカレーを作るという料理のシチュエーションで例えると、レシピを簡単に読み、カレーのレシピについて見聞きはした、という状態です。

「知る」の次が「わかる」状態です。対象について理論や手順などを理解していることを指します。この段階では、カレーのレシピを熟読し、どのタイミングで玉ねぎを炒め、どのタイミングでバターを加えなければいけない、といった手順を理解できています。一般的に「インプット」はこの「わかる」状態にすることがゴールであると言えます。

次のフェーズが「できる」ですが、個人的には4段階の内、最も隔たりが大きいと感じます。「できる」は文字通り実際に行動できる、というフェーズですが、先の例でいうと、どんなにカレーについて知見が深かったとしても、カレーを実際に作れるかどうかはまた別の話です。行動して「0」から「1」を作り出さなければいけません。

そして最後のフェーズが「教える」です。「教える」ためには行動を繰り返し、自身の行動をマスターしたのち、更に言語化して他者に伝えることが求められます。言うまでもありませんが、カレーの作り方を説明するには、レシピを自分の中で落とし込み、実行した上で、伝えられるように言語化する必要があります。最もレベルの高い内容が要求されますが、一度到達すれば、知識はかなり定着している状態とも言えます。逆に言えば、知識を定着化させる必要があれば「教える」、ないしはそれに準ずるアウトプットを前提としてインプットをしていくことが効果的と言えます。

 

②逆算思考型のインプット
ここまで、知る→わかる→できる→教える
という4段階の認知についてお伝えいたしました。通常、
「次の案件のために○○をインプットしておくように」
と言われると、「わかる」を目的にインプットをします。「○○=カレーの作り方」とすれば、あなたの部下は必死にカレーのレシピの文献を探し、エクセルなどにまとめてくるはずです。
しかしマネジメント目線で言うと、この目標はもったいないと言わざるを得ません。なぜなら、インプットの究極の目的は一時的な「知る」より、定着化し中長期的に生かせる知識を付けることにあるからです。つまり、先に述べた通り、「教える」に代表されるアウトプットを前提としたインプットを行い、知識の定着化を図る必要があります。これが逆算思考型のインプットの捉え方です。

 

③具体的なアウトプット方法
では、アウトプットといっても具体的にどのようなことができるのでしょうか。例えばですが
-コラムを書く(今の筆者)
-SNSに投稿する
-ディスカッションをする
-ブレインストーミングをしてみる(一人でも複数でも)
といったことは手軽にできる施策です。
行動を選ぶ基準として、
(1)書く、話すなど身体を使う動作を伴う
(2)1週間に1回以上行い、できれば2週間続けて行う
(3)PDCAを回す
の3つを実践できるものがオススメです。(1)は「アウトプット」をするためには当然すべき内容ですが、(2)に関しては2週間に3回その知識を用いると定着化が進みやすいと言われるため、最低でも週1回以上のアウトプットを2週間は続けて行うことが推奨されます。また知識を実際に使い、その知識があっていたのか、といったインプットした情報の整合性について自己/他己フィードバックできる機会があると、なおよいでしょう。

まとめ

今回のコラムでは、部下を成長させるために広めたいインプット方法として、
・アウトプットを目的としたインプット
とその具体的な実践方法についてお伝えいたしました。生産性の高い、ハイパフォーマンスなチームを作り上げるに当たり、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

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重光洋亮
この記事を書いた人
コンサルタント
重光 洋亮

元看護師。新卒で日本赤十字社医療センターに就職。SCU(脳卒中ケアユニット)・脳神経外科・神経内科を経験したのち、2020年から株式会社グローカルに入社。広島県出身。第2の故郷は岩手県陸前高田市。