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営業戦略

北陸マーケットの攻略方法【中小企業の地方営業シリーズ⑧】

東西に長い日本は、エリアによって地域性や文化・歴史が異なり、新たにマーケット開拓を行うためにはそれぞれのエリアに合った戦略を立てる必要があります。

このシリーズでは、地方の中小企業の経営支援を行うコンサルティング会社としての知見を活かし、中小企業やマーケットシェアの低い企業における、新規エリア開拓時の地域別の攻略方法をご紹介します。

本ページは北陸編です。

北陸マーケットの概要

富山県・石川県・福井県からなる北陸の面積は、日本の約3.3%。人口は約2.4%、都道府県GDPは約2.27%と、マーケットとしては小さいエリアです。しかしながら、マーケットが小さい故に強者にとって後回しになりがちなエリアでもあるため、弱者としては攻めやすいエリアでもあります。

富山県は、2015年の国勢調査以降、人口約40万人の高岡圏を吸収し、106万人の富山圏として商圏が一本化されました。石川県は、74万人の金沢圏と22万人の小松圏、福井県は、66万人の福井圏を有しています。

北陸新幹線が開通したことにより、富山県・石川県のベクトルは関東に向いていますが、福井県は関西の影響を受けやすいエリアです。特に、嶺南と呼ばれる若狭湾沿岸の敦賀市や若狭町などは、京都府の丹後エリアの方が商圏として近しいと言えます。

北陸新幹線に沿って、東から西へ攻めるのがセオリー

北陸の中心は、金沢圏と考えられることが多く、大企業やマーケットシェアが高い企業は金沢から攻略していきます。しかしながら、前述した通り、商圏規模で考えると、高岡圏を吸収した富山圏が最も大きく、その規模は本州日本海側で最大の新潟圏に匹敵するレベルです。

この事実に着目し、中小企業やマーケットシェアが低い企業は、富山県から攻めるのがおすすめです。北陸新幹線に沿うように、黒部から入り、その後、富山、高岡、金沢、福井と東から西へ順番に攻略していくやり方です。2022年には、北陸新幹線が金沢から福井を経由し、敦賀まで延伸しますので、今まで関西の影響を受けやすかった福井圏・若狭湾エリアについても、このやり方でより攻略しやすくなります。

まとめ

以上のように、北陸地方は、中心と思われがちな金沢市からではなく、富山県から西へ攻めていくのが有効なエリアです。ぜひ参考にしてみてください。

次回は、東海マーケットの攻略方法をご紹介します。

株式会社グローカルでは、地方の中小企業や、地方への参入を検討している中小企業の営業戦略策定支援を行っています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

加藤英里
この記事を書いた人
マーケティング戦略事業部
加藤 英里

新卒で入社したリクルートにて、地域振興事業の立ち上げから推進まで9年間従事。プロモーション企画立案、ご当地グルメプロデュース、イベント主催などの他、講演やセミナー講師も務める。2014年5月から現職。BtoB・BtoC問わず、病院・結婚式場・メーカー・レジャー施設などのWEB集客コンサルティングに従事。