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営業戦略

中小企業が攻めるべき地域を見極めるポイント【中小企業の地方営業シリーズ②】

大企業やマーケットシェアが高い企業の戦い方と、中小企業やマーケットシェアが低い企業の戦い方の違いを説いた「ランチェスター戦略」によると、中小企業やマーケットシェアが低い企業にとって有効な営業戦略は、攻めるべき地域を細分化し、マーケットシェアナンバーワンの地域をひとつずつ増やしていくことです。

では、その攻めるべき地域は、どのように見極め、優先順位を付ければよいか、このページではその考え方をご紹介します。

行政区分に捉われず、あらゆる角度から地域の特性を見極める

攻めるべき地域を細分化する際に、最も気を付けなければならないポイントは、都道府県や市町村などの行政区分に捉われすぎないことです。例えば、県境にある市町村は、隣県の市町村と県をまたいだ商圏を形成していることもありますし、大都市の周辺にはベッドタウンと呼ばれる住宅都市が発展しています。商圏の違いは、消費傾向の違いを生み出すため、戦略は分けて考えるべきです。行政区分を超えた商圏の特徴を踏まえて、攻めるべき地域の優先順位を付けていくことが求められます。

商圏を見極める際には、下記3点を踏まえて考えることが重要です。

①地形や歴史から紐解く
商圏は山や川など物理的な障壁があると分断されがちです。また、盆地や半島、島など人の行き来が少ない地域は独自の商圏を形成する傾向にあります。商圏の形成は、その地域の歴史に紐づいていることもあり、かつての宿場町は交通の要塞としての機能を持ち続けていることも多く、城下町は縮図型の商圏として完結している地域が多いと言えます。

②交通インフラから紐解く
高速道路や幹線道路、鉄道によって繋がっている地域は線状の商圏が形成されていることがあります。線状の商圏においては、ヒト・モノ・カネ・情報が周辺部から中心部に向かっています。また、かつての物流手段の主力であった河川沿いにも、今なお同じような商圏が形成されていることがあります。

③人口動態から紐解く
最も商圏が大きいのは県庁所在地などの都市部ですが、都市部は競合他社も多く参入しています。そこで狙い目となるのは、第2、第3の都市です。しかしながら、他社が狙っていない地域を探すあまり、商圏が小さくなりすぎて、ビジネスが成立しなくなっては本末転倒です。大前提として、自社のビジネスモデルが成立するための人口が存在しているかを、今後の予測を含めてリサーチすることも重要です。

まとめ

中小企業やマーケットシェアが低い企業が営業において攻めるべき地域の優先順位を付ける際には、行政区分に捉われず、商圏の特性を見極めて、判断することが重要です。

次回以降は、このポイントを踏まえて、全国を北海道・東北・北関東・首都圏・甲信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州地方に分け、それぞれの地方における具体的な攻め方をご紹介いたします。

 

株式会社グローカルでは、地方の中小企業や、地方への参入を検討している中小企業の営業戦略策定支援を行っています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

加藤英里
この記事を書いた人
マーケティング戦略事業部
加藤 英里

新卒で入社したリクルートにて、地域振興事業の立ち上げから推進まで9年間従事。プロモーション企画立案、ご当地グルメプロデュース、イベント主催などの他、講演やセミナー講師も務める。2014年5月から現職。BtoB・BtoC問わず、病院・結婚式場・メーカー・レジャー施設などのWEB集客コンサルティングに従事。