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経営戦略

「業者扱い」の罠

経営者の皆さんであれば、

当然ご存知の「下請法」。

その法律ができた経緯は下記のとおり。

 

『親事業者の一方的な都合により、下請代金が

発注後に減額されたり、支払いが遅延する

ことがある(優越的地位の濫用)。

 

そこで、下請取引の公正化を図り、

下請事業者の利益を保護するために、

私的独占の禁止及び公正取引の

確保に関する法律の特別法として制定された。』

 

とかく商流の関係で不利益をこうむりやすく

なりがちであった、下請け業者(主に中小企業)を

保護するために、制定された特別法です。

 

今思えば、創業間もない頃、

私も人事制度の導入を手掛けた際に、

お客様よりある日の打ち合わせで、

 

「市場が急遽変わってしまい

決算が赤字になってしまう。

そのため支払いを減額してくれないか?」

 

と打診されたことがありました。

 

 

今思えば、後払いにしてもらえば

済んだ話ですが、無駄に男気を

発揮してしまい、

 

「そういう事であれば350万円から50万円

値引き対応します、最後までやりきりましょう!」と

答えた過去がありました。

 

すでに過去の話ですし、そのこと自体は

すんだ話なので、

今さら蒸し返すつもりはありません。

 

このときは、お客様の組織を活性化する

ために、いかに円滑に人事制度導入するかに

注力をし、むしろ、お客様と一丸になって

取り組めたと思っています。

 

しかし、お金の問題以上に、

仕事のクオリティに支障をきたすことが

あるように思っています。

 

それは、いわゆる「業者扱い」です。

サービスを提供したり、商品を納めさせて頂く

対価として代金を頂戴するのが商いの基本です。

 

そこには、本来上下関係はないはずですが、

往々にして外注先を下に見て、

下僕のように扱う企業もまだまだ多いように思います。

 

組織論的に言えば、こういった扱いをすることが

結果としてパフォーマンスの低下を招き、

外注先であるパートナーから

本来得られるべきサービスクオリティを

引き出しにくくしていることが多分にあります。

 

適切なオーダーに対して、

クオリティを十分満たしたサービス・商品の提供を

受けることが、自社の事業を伸長させることに

他ならないのではないでしょうか。

 

外注先だけでなく、今後従業員の

多様な働き方が今まで以上に増えていく中、

外注先だからとか、従業員だからとかいった

考え方で、高圧的に接することは、

企業として不利益であると言って過言ではありません。

 

従業員の鏡である経営者自身が、

普段の言動について気を付けることはもちろん、

外注先のパートナーと接している

スタッフの言動にも十分配慮いただき、

社内・社外の力を集結して、

ビジネスを伸長させていくことが、

中小企業が発展していく方法であると思います。

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。