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【中小企業組織】社員の退職理由の現状

人手不足の時代になり、「人が採用できなくて困っている」「何か良い採用手法はないか」とご相談をいただくことが年々増加しています。売り手市場である人材マーケットの影響は日本全国に及んでおり、中でも地方の中小企業が人材を確保することは、既存の方法では困難になっていることは確かです。ただ、人手不足の解決=採用強化、が必ずしも成立するわけではありません。経営者から「人手が足りない」とご相談を受ける裏には、「人を雇ってもすぐに辞めてしまう」「優秀な人材ほど早く転職してしまう」など、退職の問題が根本に潜んでいることが非常に多いのです。
この記事では、退職の原因とその改善策について説明します。

退職防止が必要な理由

まず、社員が退職することでのリスクを改めて考えてみましょう。
従業員の退職による影響は様々ですが、大別すると以下の3つに集約されます。
①労働力の低下
労働力が低下することによる事業への影響はもちろんですが、それにより他の社員の負担が増え、退職につながるケースもあります。
②社内モチベーションの低下
特に信頼を得ている社員や、事業のキーパーソンが退職した際に、他の社員に与える影響は大きいものです。そこから会社への不信感や将来性への不安を連想し、退職の負の連鎖に陥ることもあります。
③コストの損失
人1人を雇用するためのコストは、日々の人件費だけではありません。採用コスト、育成コスト、退職者時に発生するコスト、後任を採用または再度育成するコストと時間が倍以上必要になります。

退職は、その1人のコストや売上に影響するだけではなく、他の社員にも波及していくきっかけとなりかねないのです。

押さえるべきは、「退職の理由」

どうして退職が起こるのか、その理由を考えてみたいと思います。
エン・ジャパンが2019年9月に発表した「退職のきっかけ」実態調査によると、96%が「これまでに退職を考えたことがある」と回答。
その中でも、退職を考え始めたきっかけベスト3は、以下のようになっています。

1位:やりがい・達成感を感じない(41%)
2位:給与が低い(41%)
3位:会社の将来性に疑問を感じた(36%)
【出展】:1万人が回答!「退職のきっかけ」実態調査―『エン転職』ユーザーアンケート―(※年度別・複数回答可)

退職の理由から対策を考えるのはセオリーですが、例えば1位の「達成感を感じない」、に対して「やりがいをつくればいい」というような話ではありません。そもそも、「やりがい」は人によって定義が異なります。上司に評価されてやりがいを感じる方もいれば、顧客からお礼を言われることや、評価されて昇進することにやりがいを感じる方もいます。これらは細分化して考える必要があります。
また、最も注意したいのは、上記の調査は一般的な回答であって、必ずしも貴社に当てはまるものではありません。
自社の実態そのものを把握し、それを貴社が目指すべき組織像と見比べることで、初めて効果的な対策を講じることができます。

まとめ

今回の記事では、退職が起こることによる組織全体への影響と、その代表的な理由についてご紹介しました。退職の問題は、原因が様々にある故に一筋縄で解決するものではなく、個々の企業の現状に合わせて対策を考える必要があります。
とは言え、退職問題を自社だけで解決するのは極めて困難です。
当社では、会社の現状のヒアリングから、課題発見、具体的な打ち手の提案が可能ですので、もし退職問題にお困りでしたら、まずはご相談ください。

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次回の記事では、具体的な改善策について解説を行います。

白土昴
この記事を書いた人
白土 昴

東京学芸大学で音楽教育を学んだ後、新卒で株式会社ローソンに入社。秋田・青森・宮城を中心にFC店舗のオーナー・アルバイト育成から経営指導まで携わる。2019年6月に株式会社グローカルに入社。自社採用・広報・庶務・アシスタントとして勤務。