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経営戦略

3年間を生き抜く中小企業のシナリオ設計

先々不透明な時代を中小企業が生き抜くために不可欠なものは、精度の高いシナリオを描くことです。
これは中小企業がただ生き残るだけではなく、ピンチをチャンスに変え、事業を伸長させることを考えたときの最低条件でしかないことですが、非常に難しくもあります。
中小企業の社長であれば誰もができるということではありませんが、今こそ言葉だけの「経営戦略」ではなく、精度の高い仮説に基づいたシナリオ設計を行うことが、企業経営を行う上で必須と言えます。
このページでは、中小企業の経営者が今取り組むべき、withコロナ/アフターコロナ時代の経営戦略について解説したいと思います。

ピンチを乗り切るポジティブシナリオとネガティブシナリオ設計

語弊を恐れずに言うと、経営戦略を立てていない中小企業は非常に多いと感じます。実際経営者の方に、自社の経営戦略を伺うと、戦略ではなく戦術の話をされる方が多いように思います。

戦略と戦術の違いは、ひと言で言えば、方針・計画と具体的な手法の違いです。同業他社で成功している事例をいち早く真似ることも戦略と言えば戦略ですが、それでは圧倒的に勝つことはできません。また、差別化もできませんので、安定した経営基盤を構築することはできません。これからの時代、人マネでは勝てません。重要なのは自社の既存事業の棚卸を行い、経営理念に基づいた事業展開の方向性を早期に再確認することです。

そして最も重要なことが、経営のシナリオ設計です。時勢がポジティブに動いた場合のシナリオとネガティブに動いた場合の2つのシナリオを組み事業計画に落とし込むことが、経営の舵取りにおけるリスクを低下させ、柔軟な対応ができる体制を作ることに繋がります。この2つのシナリオを設計する際には、ポジティブシナリオは現状が120%で進捗した場合を想定、ネガティブシナリオは現状が60%で進捗した場合を想定すると、実践的な計画設計が可能です。

経営のシナリオ設計は、シビアな前提条件のもとに設計することで、実用性の高いシナリオを作ることに繋がります。こうして作成したポジティブシナリオ、ネガティブシナリオそれぞれを加味した経営戦略を立案し、事業計画に落とし込むことが中小企業経営において、不可欠であると言えます。

まとめ

これまでの延長線上にない未来を生き抜き、圧倒的に事業を伸長させるためには、ポジティブシナリオとネガティブシナリオを踏まえた経営戦略が不可欠です。
誰も答えを持っていないからこそ、経営者自らが知見・経験・スキル・勘を総動員してシナリオ設計を行い、経営戦略に落とし込むことが必要です。
社内の腹心、あるいは社外の信頼できるビジネスパートナーとのディスカッションも交え、早期に取り組むことが今求められています。

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。