columnコラム

TOP > コラム > 中小企業が動画を活用して事業を伸長させるべき理由とは

経営戦略

中小企業が動画を活用して事業を伸長させるべき理由とは

スマートフォンを所有する方が、1日1時間以上利用する割合は88.5%以上です。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が2019年に実施した調査によると「ガラケー/スマートフォン」の接触時間は117.6分との結果となりました。特にスマートフォンによる動画の閲覧時間は、過去5年間で約4倍になっています。
こうした状況の中で、プロモ―ションや採用活動に動画を有効に活用することは、すべての企業において不可欠と言えます。
動画を活用するにあたっては、高度なノウハウや費用がかかるイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、目的に応じてコストを抑えて取り組むことも可能です。
ここでは、中小企業が取り組むべき、プロモーションと採用活動における動画の活用方法についてお伝えします。

30秒間の「編集なし動画」で十分効果が期待できる

動画の活用方法は様々ですが、結果に結びつきやすい活用方法は「商品・サービスの価値説明」と「応募者への会社紹介」です。動画活用のポイントは、「すべてを伝えようとしない」ことにあります。商品・サービスの価値説明では、その商品・サービスを利用するユーザーにとっての価値やメリットの8割を占める2割の情報を30秒の動画に収めましょう。そうすることで、ホームページで情報を見るだけの場合に比べ、格段に訴求力が上がります。
応募者への会社紹介も同様で、採用サイトでは語られない内容や選考途中では感じ取りにくい会社の雰囲気の8割を占める2割の情報を30秒の動画にすることで、格段に訴求力が向上します。
動画の訴求力は高いですが、最も注意すべきは、ユーザーが最初から興味のある情報でない場合には、1分間以上の動画を見ることはあまりないということです。そのため、30秒程度の動画を複数用意し、最初の動画を見て興味を持ったユーザーに、次から次へと他の動画を見てもらえるような流れを設計することが重要です。
また、動画の活用を始めてすぐのタイミングでは、まずは「編集なし動画」の活用を前提としてチャレンジしてみてください。何度か撮影し直しが発生したとしても、慣れない編集を行うよりはじめやすいのでおすすめです。

動画撮影や編集はスマートフォン1台で十分

動画の撮影は、まずはお持ちのスマートフォンを活用することをおすすめします。最近のスマートフォンの動画撮影機能は、少し前のHDDビデオカメラよりも解像度が高いものも多く、非常に綺麗に撮影することが可能です。高額な機材をはじめから購入する必要はありません。
動画の編集もまた、スマートフォン1台あれば十分です。iPhoneではapple純正の「iMovie」や「Clips」が無料で使えますし、illustratorやPhotoshopなど画像編集ソフトで知られるAdobe社からは、iOS、Android共に対応した、無料で使える「Adobe Premiere Clip」などが提供されています。その他、TikTokやInstagramで動画を編集するために活用されている多くのスマートフォン向けアプリがありますので、いくつか試してみて使いやすいものを使って制作してみることをおすすめします。
こうしたアプリは非常に多くありますので、迷った場合にはGoogleで「スマホ 動画編集 無料」といったキーワードで検索をすると、動画編集アプリのおすすめ情報にアクセスできますので、ご参考いただくのが良いと思います。
大事なのは、「まずは試しに動画編集をしてみる」ということで、いきなりプロフェッショナルレベルの動画を制作するために多額の費用をかけないことが重要です。

ホームページでは伝わらない情報や熱量が伝わる

動画がテキストや画像よりも圧倒的に優れている点は、映像と音で場の雰囲気や臨場感、人柄などが伝わりやすいということです。テキストや画像で同じ情報を伝えようとすると、内容によっては膨大な量になってしまうこともあります。こうした場合に、動画を活用することが有効です。

例1)プロモーション動画
工場で商品が作られている生産工程/職人が和菓子を作っている工程/サービスを受けているシーン/商品を作った開発者の想い/商品を使用しているシーン/商品を有効に活用するためのノウハウ/など

例2)採用動画
経営者の創業の想い/エース社員のやりがい/採用担当者が応募者に期待すること/オフィスで働いている風景/キックオフの様子/忘年会で楽しんでいる様子/卒業生のインタビュー/など

こうした事例の他には、動画をうまく活用して組織活性化に活かすことも可能です。「全社に対する経営方針発表/事業計画の社員への周知/代理店表彰の様子/マネジメント研修に対する経営者の期待/キックオフのオープニング動画/など」動画の時間が30秒以上になるケースが多いですが、うまく活用することで、これまで以上に情報共有を効率的かつ効果的に行うことが可能となります。

まとめ

中小企業にとって動画の活用は、今後不可欠になることは間違いありません。逆を言えば、動画をうまく活用できなければ、有利にならないだけではなく、競合他社に対して不利になることも出てくることが想定されます。
もちろん、「動画は不必要で従来通りのやり方を貫く」という選択肢もあるでしょうし、「いずれ動画の活用に着手するつもりだが今は様子を見る」という経営者の方も多いと思います。何が正しくて何が間違っているかということは誰にもわかりませんが、ひとつ言えることは動画の活用は今後どんどん一般化していくということです。現状を見て判断するのではなく、3年後5年後の日常が現状とどのように変化しているかを踏まえ、今成すべきことが何かを見極めることが重要であると思います。

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。