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経営戦略

【中小企業のアフターコロナ#1】VUCA時代に中小企業が取るべき戦略とは

過去の延長線上にないこれから訪れる未来に向き合うことは、精度の高い仮説力が不可欠。誰も答えを持っていない状況において、経営者の確信をもった経営判断・やり抜く力が問われます。VUCA(※)時代に中小企業が取るべき戦略とは何でしょうか?

(※)VUCA…「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語で、将来の予測が困難な状態

戦後最大の経済危機を引き起こしたコロナショック

日本において、コロナウイルスの影響を誰もが実感するようになったのは2月中旬。圧倒的なスピードで国レベルの対応をした台湾をはじめ、世界各国が独自の施策を打っている中、日本の対応は早かったとは言えません。日本の中小企業経営者の多くも、国と同様に反応が遅れた企業がほとんどと言えるのではないでしょうか。
戦後最大の世界レべルの危機であるコロナショックは、過去のセオリーを踏襲すれば乗り越えられる危機ではありません。少し大げさかもしれませんが、人類初の世界的パンデミックとも言えるでしょう。今は世界中が「戦時中の警戒レベル」と言ってもいいのかもしれません。肌感で経済活動が通常の20%程度と感じられる方も多いと思いますが、こういった状況の中、中小企業においては、経営者のシビアな舵取りがこれまで以上に重要になります。

自社・自業界に及ぼす影響を把握、事業継続に向け被害を最小化

政府にとっては、新型コロナウイルスから国民を守ることと同様に、経済活動の維持は重要課題となっています。
日本を下支えする中小企業の支援も含め、過去最大の108兆円を投じ、日本の経済を守るために給付金・補助金・助成金を大量に投下しました。一部、事務手続きで関係各所がオーバーフローしていますが、中小企業の経営者にとっては利用できる仕組みを見極め、「まずは生き延びる」ことが最優先事項となっていることでしょう。しかし、生き延びたとしても「生き延び方」によっては、アフターコロナを生き残れない可能性も大きいと言えます。政府の支援策を最大限に活用しながらも、withコロナ・アフターコロナ時代を睨んだ準備が必要となります。

「新しい生活様式」を踏まえた既存事業の新たな展開

政府が提唱する「新しい生活様式」は、お題目ではないと考えます。「夏場にマスクをする暮らしが日常となり、公共機関を利用する際には手袋をする。また、アルコール消毒は、食事や会議、お店に入るときなど、最低でも1日に20回程度行う。飲食店では、店内利用と同程度のデリバリー利用が増え、通販の利用も増える。顧客との打ち合わせは、半数以上がオンライン商談となり、会社への出社は週に1度あるかないか。」1年前の2019年には誰もが想像しなかった生活様式が当たり前になり日常となりつつあります。

当然、自社が手掛ける事業も、これまでのやり方をそのまま継続すればいいということではなくなります。顧客の生活様式の変化に合わせて、サービスの提供方法も変化しなければなりません。そして、これから迎える「新しい生活様式」は、2020年5月現在ではまだ日常になっていないことが多く、現時点では未知数なことが多すぎると言えます。

「未知数なことが多い=想定できない」と諦めてしまうのは簡単ですが、それは中小企業にとって死を意味する可能性の高い選択肢とも言えます。
未知数なことが多ければ、現在知り得る最低限の情報をもとに、仮説力・想像力を最大限発揮し、既存事業の新たな展開を考え抜くことが何よりも重要です。そうしたプロセスを経て、新規事業の構想も副次的に発生することも十分あり得えます。今求めれるのは、「新しい生活様式」を踏まえた既存事業の新たな展開を考え抜き、迅速に実行に移すことです。

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。