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【営業戦略】劇的に成果が変わる営業戦略策定①「営業戦略見直し」

中小企業において、営業戦略の見直しが必要な場合は少なくありません。その理由は多岐に渡りますが、往々にして戦略を立てていたとしても、やりきることが出来ていないケースが多く見られます。
また、そもそも営業戦略が5年後・10年後の市場の変化を見込まず、現在の経済環境が続くことを前提としているものが多く、VUCA時代の変化に対応できていない場合も散見されます。こうした場合は、劇的に成果を変えるため、営業戦略の見直しを行うことが有効です。
このページでは、中小企業経営者が売上・利益向上に向け、「営業戦略の見直し」を行う上でのポイントについて解説致します。

劇的に成果が変わり、V字回復も実現可能な事業伸長において、不可欠な営業戦略の見直し

リソースが限られている中小企業だからこそ、精度の高い営業戦略の有無によって、事業の伸長が圧倒的に変わってきます。しかしながら、営業戦略に対して毎年見直しをかけ、中長期計画を睨んだものにしていない中小企業も多いように思います。精度の高い営業戦略を造り上げるために必要なのは、経営者自らが精度の高い営業戦略の重要性を正しく理解し、自ら陣頭指揮を執り、経営企画部長や営業部長と共に練り上げることが重要となります。

 

営業戦略の見直し3つのポイント
1.現状の営業戦略と課題、目的の整理
2.環境分析による競争優位性の発見
3.ターゲット顧客設定とニーズ明確化

 

「1.現状の営業戦略と課題、目的の整理」について
営業戦略の見直しを行う際に、一番最初に手掛けるものは現状の営業戦略を見直し、課題を明確にすることです。次に、新たな営業戦略を構築する際の目的を整理することが重要になります。
こう言葉で書くとシンプルなこの工程も、実際に行うとなると難しい部分があります。うまくいっているときはともかく、うまくいっていない場合には、どうしても犯人捜しのような空気感が漂ってしまい、うまくいっていない真の原因が隠されたり、誤魔化されたりする場合も少なくありません。そのため、現状の営業戦略を見直す際には、課題を見つけた人を称賛する空気を創る必要があります。こうした空気を創り出すことで、現場のメンバーや営業部長も課題出しに協力しやすくなり、結果として正しい情報を得ることができます。こうした課題出しを行った上で、新たに検討する営業戦略の目的を明確にするというステップを踏むことが重要です。

 

「2.環境分析による競争優位性の発見」について
営業戦略の見直しを行う際に、重要になるのが環境分析です。環境分析においては、戦略キャンバスや業界構造を理解するファイブフォース分析などのビジネスフレームワークをいくつか使いますが、現状の分析だけでなく将来的な市場の変化を織り込んで行うことが重要です。特に、VUCA時代においてはこの将来予測こそが重要であり、正解は当然わかりませんが、楽観・中庸・悲観の3つのシナリオを組むことが求められます。3つのシナリオを組む際には、悲観シナリオは理想の30%~50%程度の最悪のシナリオとして組み上げ、中庸シナリオを理想の80%くらい、楽観シナリオを理想の120%くらいで創り上げることがポイントです。最悪な状況であっても業績が赤字にならず、トントンになるような競争優位性を見出すことを必須とし、そこを目標として検討することが重要です。もちろん、中庸シナリオや楽観シナリオにおいても、その競争優位性は自社の事業を伸長させる上で非常に有効な差別化要因になります。状況を打破するには、現状を正しく認識することは不可欠ですので、環境分析と競争優位性の抽出については過不足なく、スピード感をもって行うことが重要です。

 

「3.ターゲット顧客設定とニーズ明確化」について
環境分析を終え、競争優位性の抽出が出来た後に行うのは、自社の商品やサービスにおいて考えられるターゲット顧客を全て洗い出し、戦略的に狙っていきたいターゲット顧客の優先順位を決定することです。既存のターゲット顧客と異なる新たなターゲットを探すということでは必ずしもなく、改めてフラットにターゲットとなり得る顧客を洗い出した後に、優先順位の高いターゲット顧客について人物像や抱えているニーズを明確化し、そのニーズに基づき営業方針を決定するというプロセスで検討することが重要です。この時に、仮にターゲット顧客が同じであったとしても、新たに見出したニーズに対してアプローチするだけでも成果は大きく変わってきます。だからこそ、この過程においても他のプロセス同様に先入観を捨て、ゼロベースで検討することが需要です。

 

VUCA時代を生き抜く中小企業において、事業を伸長させるために営業戦略の見直しを行うことは必須要件のひとつです。しかしながら、工数がかかるだけでなく、経営企画部門や営業部門の現場も巻き込んだ状況把握、分析、戦略策定が必要となるため、中小企業の経営者である社長自らが陣頭指揮を執り、確固たる信念のもとに、短期間にやりきることが重要になります。

陣頭指揮は社長がやるべき

中小企業において、業績が思わしくない時だけでなく、劇的に事業を伸長したい場合に、営業戦略の見直しは有効な手段の一つです。しかしながら、中途半端に取り組むと高い成果を得るには至りません。そのため、営業戦略を見直す際には、経営者である社長自らが陣頭指揮を執ることが重要です。また、営業の現場に対しても、営業戦略を見直す目的や新たに練り上げられた営業戦略をいかにやりきるかが事業の行く末に大きく関わってくる、ということを正しく伝えることが重要です。

 

株式会社グローカルでは、地方の中小企業や、地方への参入を検討している中小企業の営業戦略策定支援を行っています。詳しくは「地方の中小企業のためのプロセス改善型営業戦略策定支援」をご覧ください。

 

劇的に成果が変わる営業戦略策定シリーズ
【営業戦略】劇的に成果が変わる営業戦略策定②「営業プロセス再構築」
【営業戦略】劇的に成果が変わる営業戦略策定③「アクションプラン実行」

浅野 道人
この記事を書いた人
浅野 道人

新卒で入社した総合人材会社インテリジェンスにて法人営業を経験した後に、 経営コンサルティング会社にて大手から中小ベンチャー企業まで規模を問わず 人事領域のコンサルティングに従事。 その後、楽天にて人事・総務職、外資系人材会社にて営業マネージャー・人事職を経験。 現在、代表取締役として、WEB集客コンサルティング事業、組織・人事コンサルティング、キャリア支援事業を担当。